猫のヒスタミン中毒

魚のヒスチジン(都保健福祉局HP)
魚のヒスチジン(都保健福祉局HP)

 少し古い話になりますがアビ君の耳たぶが赤くなったことがあります。病院で診てもらったところ、間食にあげたカツオが原因のアレルギー症状ではないかということでした。それからはカツオ製品を避けてマグロを中心にしたのですが、時々同じような症状が出ることがありました。原料にカツオ油を使っているのかと思っていましたが、これは大きな間違いでした。

 原因はカツオ中毒ではなくヒスタミン中毒だったからです。ヒスタミンはカツオだけでなくマグロ、サバ、イワシなどに含まれるヒスチジンと呼ばれるアミノ酸が腸内細菌によってヒスタミンにかわったものです。この菌は自然環境にも存在し室温で急速に増加し、できたヒスタミンは120℃の加熱によっても分解されず、缶詰やレトルト中に残留します。ヒスチジン含有量の多い魚を図に示しました(東京都保健福祉局HPより)。ヒスタミンの生成を避けるにはできるかぎり低温にして新鮮なうちに熱処理を行う必要があるということです。消費者の選択は、そのようなことに注意して製造しているメーカーの製品を選ぶということしかありません。