浅場万矢さん in オイデプス王

　写真は2013年2/14～2/24　さいたま芸術劇場で上演されたさいたまネクストシアター第4回公演「オイディプス王」に出演された浅場万矢さんです。蜷川幸夫氏の演出によるギリシャ悲劇は円形劇場を模して特設された黒一色のステージに群衆が王に助けを求めて集まるシーンから始まりました。死者を背負って打ち鳴らす三味線は疫病になすすべもない群衆の悲痛な叫びでした。王は疫病と闘うことを約束しますが，そのすべを知りません。そのために予言者を頼り、次第に自分の首を絞めていくことになります。王も群衆も悲劇の原因がどこにあったかには気づかないまま，悲運な王の物語は幕を閉じるのです。謎解きの要素もふんだんにちりばめられており，息もつかせぬ展開は観るものを圧倒します。2500年前の古代ギリシャ時代に観客はどんな感慨をもって円形劇場をあとにしたのでしょうか，興味がわくところです。

　浅場万矢さんは劇中では王に懇願する市民を好演されましたが，楽屋裏では三味線の調律を一手に引き受けていだいたと他の出演者から伺いました。