ネコとニラ(2)死亡の危険も

       ニラの機能成分と防御機構
 ニラの機能成分と防御機構

 ニラの香り成分はガンや糖尿病などさまざまな病気に効果があることが知られています。この成分は二硫化アリルで,ニラの細胞が傷つくとメチインやアリインから二硫化アリルが合成されます。防御のために臭気をもつた毒性物質が放出されるというわけです。

 二硫化アリルの毒性の現れ方は摂取する動物の種類によって違いがあります(選択毒性)。ヒトには分解酵素があってむしろ健康にプラスの効果があらわれますが,ラットには二硫化アリルの半数致死量260mg/kgが報告されています。表から二硫化アリルの260mgに相当する生ニラの量は181gですから,市販のニラ2束(200g)で半数致死量を超える計算になります。個体差を考えればネコにとってニラは死亡する可能性がある大変危険な食材であることに間違いありません。