「リチャード二世」を観て

王妃イザベル役の浅場万矢さん(劇場パンフ)
王妃イザベル役の浅場万矢さん(劇場パンフ)

 4月14日、さいたま芸術劇場に蜷川監督演出の「リチャード二世」を観てきました。お目当ての浅場万矢さん、鈴木彰紀さん、浦野真介さんたちの熱演、そのあとの万矢さんを囲んでの芝居談義と楽しい春の一日でした。観劇後リチャード2世について調べてみましたがあまりにも複雑で思いがけず時間がかかってしまいました。

 リチャード2世は英仏百年戦争を始めたエドワード三世の孫として当時の英領ボルドー(現フランス)に生まれました。エドワードを継承する父と兄がそろって早世したため、次男のリチャードが10歳で王に即位しました。王位への野望をもった叔父が後見人ではその後の展開を予想させるのに十分です。16歳で親政を開始したものの、側近の重用、強引な増税、安易な貴族の追放や領地の没収などにより民衆と貴族の両方の反発を招き、アイルランドへの出兵を機に王座を追われ獄中で暗殺されました。シャルル6世の娘であった王妃イザベルはフランスに帰国後王家オルレアン公と再婚して一女をもうけています。祖父王が始めた百年戦争はジャンヌダルクの活躍により英国の大敗で終わり、ボルドーはフランス領となりました。