森永製菓小山工場を見学して

森永製菓小山工場玄関前キョロちゃん
森永製菓小山工場玄関前キョロちゃん

 森永製菓の小山工場を見学しました。この工場は1942年に誕生し、現工場は1987年建設のものだそうです。国際環境マネジメント規格ISO14001を業界で初めて認証されたという工場は全体に堅実さが保たれている中、なごやかな現場の雰囲気が心地よく感じられました。

 創業者の森永太一郎氏は私の郷里佐賀県の出身です。伊万里の裕福な陶器商の家に生まれながら、幼くして父を亡くし、母が再婚して親類に養われるという不遇な環境に育ちました。成長して陶器商の夢を追い渡米したもののうまくいかず、休んだ公園のベンチでお菓子の包み紙を見て新しい夢がひらめいたといいます。菓子の製造技術をおぼえて帰国し、1899年2坪の工場で西洋菓子の製造に着手しました。これも簡単に成功したわけではありません。夢を果たせたのは、松崎半三郎という信頼できるパートナーに出会ったからです。1935年、森永氏は会社を盟友松崎氏に託して身を引き、松崎氏は戦中戦後の困難な時代に森永を支えてあとを森永氏の長男森永太平氏に託しました。太平氏の長女恵美子氏と松崎半三郎氏の孫の昭雄氏(5代目社長)との間のこどもが昭惠夫人です。昭惠夫人は森永太一郎氏と松崎半三郎氏お二人のひ孫にあたります。