悪賢い 梨の天敵

久喜市看板(上)とビャクシン(下)
久喜市看板(上)とビャクシン(下)

 先月, JA菖蒲の入口で久喜市の奇妙な看板を目にしました(写真上)。久喜市のHPを開いて意味がわかりました。『市特産の梨を赤星病の被害から守りましょう! 赤星病は、梨の葉や果実に赤い斑点を生じる梨の重要病害です。葉は早期に落ち、果実は販売できなくなります。赤星病の胞子は梨とビャクシン類でのみ生存し、4月から6月までは梨、その他の期間はビャクシン類に寄生します。』 植木図鑑によると、ビャクシン(写真下)は写真下のようなヒノキ科の針葉樹で、洋風の家に似合うことから近年植栽する人が増加し、都市近郊の梨生産地を中心に条例による規制が行われているようです。

 ヒノキ科の植物は常緑樹で枯葉を散らす心配もなく、ヒノキチオールを産生するため空気を浄化すると思っていましたが、真夏と真冬をビャクシンに取り付けたカプセルでやり過ごし、春になると芽吹いたばかりの梨にとりついて繁殖するという悪賢いカビがいるのは知りませんでした。よその家の庭木を消毒するわけにもいかず、梨農家は大変です。